こんにちは!今回はCFP試験課目の相続事業継承についてご説明させて頂きます!
相続事業継承はCFP試験において2日目の最終試験になる為6課目同時に受ける人にとっては最後の試験になります。
相続事業承継の勉強をしている人やこれからする人は参考にしていただければと思います!
相続事業承継ってどんな事を勉強するの?
相続事業継承は大きくわけて相続・贈与・事業承継の3つがあります。それぞれの簡単な概要としては
相続では資産配分や相続評価額の算出といった計算や遺言書の知識から相続における制度などを学習
贈与は贈与税の計算や控除の仕組み制度など
事業承継は経営者に相続が発生した時に株式の評価方法など経営者側の考え方といった事を学習していきます。
複雑な部分もありますが相続や贈与など身近な事を学習していくので試験外でもためになることが多いので是非興味を持って勉強してみて下さい。
CFP試験は過去問を何度も解くことが合格のポイントです。
類出の問題を300問前後でまとめられておりCFP試験者は御用達の問題集です
試験勉強の項目とポイント
法定相続分と民法の相続分
試験では毎回1問に出題されており
相続分に関しての留意点としては民法による相続分と法定相続分では養子や相続放棄、相続人死亡時の代襲相続が起きた時の扱いが異なります。
その為各ケースにおいて民法上の配分と法定相続による配分はどうなるかを覚える事が必要です。
特別受益と寄与分
この問題も試験では毎回出題されておりそれぞれ金額を答える問題ですがそれぞれの概要としては以下のようになります。
特別受益被相続人から贈与を受けた相続人(特別受益者)がいる時に相続分を修正変更する制度
寄与分相続財産の維持増加に特別に寄与した相続人(寄与分権利者)がいる時に配慮して相続分を修正変更する制度
特別受益と寄与分によって修正変更後の相続財産を問う問題が出題され、
特別受益の出題では相続開始時の価額と贈与時の価額がそれぞれ時価と相続税評価額が問題分に記載されていて寄与分では相続開始時の時価と相続税評価額が記載されておりどの数字を使うので答えが変わります。
どちらも計算で使うのは相続開始時の時価で計算式自体は単純なので使う数字を間違えないように学習していきましょう。
遺産分割協議と遺言書
遺言書の問題は法務局での預り制度が開始された事で最近の試験では出題が多いです。
遺言書は 自筆証書遺言 公正証書遺言 秘密証書遺言に分かれており更に自筆証書遺言は自己管理と法務局の預り制度に分かれるのでそれぞれの特徴や遺言書作成においての決まり事や執行者や証人になれる人の範囲は覚えておきましょう。
成年後見制度
成年後見制度は
成年後見制度の種類として 法定後見制度と 任意後見制度があるので違いと制限の差といった事も学習が必要になります。
相続税の課税計算
こちらは毎回出題される定番問題です。
保険や不動産といった資産の時に課税価格はどう計算されて現金の場合に比べてどれくらい課税遺産総額が変わるのかといった問題が出題されたりします。
それぞれの課税価格の求め方はしっかり学習が必要になる事や相続において加算される金額や控除される金額などの制度も加味して解答するので覚える事が多くなります。
贈与・保険・債務控除といった分野は一通り覚えておかないと対応するのが難しいため相続事業承継問題で最初に苦労する項目と個人的には思います。
資産によっての価格の求め方や控除制度は今後違う問題でも応用されるためしっかり学習すると後々に役立つので最初は大変ですが過去問などで何度も学習しましょう。
基礎控除(3000万+相続人×600万)と生命保険の非課税枠(相続人×500万)は基本となりどの問題でもこの考えを応用して解答するので覚える必要があります
贈与税
贈与はそれぞれ控除額が異なるため。問われている事がどちらに該当するかを正確に読み取る必要があります。
試験で問う贈与税計算はパターンが少ないので慣れてしまえば時間を掛けずに答えられるかと思います。
私が学習した中でよく出題されるなと思ったのが相続時精算課税制度でここはしっかり押さえておく必要があると感じました。
相続時精算課税制度
非課税枠を超える分に関しては一律20%の税率で贈与税を課税する。
相続時精算課税制度は適用要件や留意点も覚えておくといいです
相続税の申告と納付
暗記による知識問題で申告の期限や納税方法から延納・物納などの特例措置について問われます。
要件などは細かく覚える必要がある為分からない箇所は都度参考書で確認して過去問で復習といったサイクルで覚えられるようにしましょう
相続財産の評価
こちらも毎回出題されている問題で特に不動産や土地といった資産の評価計算と国外資産は定番です。
国外財産のポイントは相続人と被相続人が 居住無制限納税義務者 非居住無制限納税義務者 制限納税義務者どれになるかで課税と債務控除できる財産範囲が変わります。
土地や不動産の問題では計算パターンは複数ありますがパターンは多くないのでこちらも過去問で何度も解く事で得点できるかと思います。
この問題では自用地価格を求める問題や求めた自用地価格を使い借地権付きの動産を計算していくため自用地価格を正しく計算できないと後の問題も不正解になってしまうケースがあります。
私も模試ではそのパターンにハマってしまい得点を大きく落としました。
計算自体はそこまで複雑ではないので覚えたと思ってもそこから更に勉強を重ねていくとより安心できると思います。覚えておく評価額としては
あたりは過去にも出題され前述した相続税の課税計算においても使う事があるのでしっかり学習しておきましょう。
その他財産としては
土地の価額計算に比べると覚える計算式も少ないですし単純な計算ばかりなので私は参考書と過去問を使い2.3回解けば充分対応できました。
事業承継
この項目の計算問題は株式の評価額計算がとなります。
試験で出題が多い計算方法は純資産価額方式と配当還元方式です。
純資産価額方式は計算式を覚える必要がありますが配当還元方式は計算式が与えられています。
どちらも少々複雑ですが毎回出題されていて計算パターンも同じなので出来るようになるまで過去問で繰り返し解きましょう。3問程度出題されるためしっかり覚えて得点を稼いでおきたい項目です。
会社法
株式の種類や中小企業経営承継円滑化法やここ最近ではM&Aについて出題されることがあります。
暗記による知識問題であるため覚える必要がありますが3~5問程度は出題されるので全て覚えきれなくも対策して少しでも得点出来るようになると計算問題などで万が一ミスした時にカバーできるので過去問と参考書で学習しておきましょう。
試験勉強を終えて思った事
相続課目は計算パターンが同じなので過去問で何度も解けば計算自体は苦ではありませんが控除や加算といった制度が絡む事や課税価格を計算することで複雑になって難しくなっていると感じました。
また、控除や加算など覚える事は多いが相続時精算課税制度が贈与の問題と相続税課税計算でも使用したりなど項目にまたがって出題されることが多いので過去問でよく出る制度や問題は重点的に学習する事で対策していくと得点に繋がると思います。
相続は自分自身にも起こりえる事なので仕組みや制度を正しく理解しているとFPとして働くうえではもちろん自分の今後にも役立つと思います。
相続事業承継の試験は2日目の最終課目なので実際の試験では疲れも溜まり集中力も低下するので途中の休憩時間では追い込みで勉強する事も大切ですが適度に休憩して脳を休めて試験に備える事も大切です。
私は6課目同時受験をしたので最終課目となる相続事業承継では疲労も溜まっていましたし「やっと終わりだ〜」と緊張の緩みもありました。集中力が低下すると読み取りミスや過去問では問題なく解けていた問題もケアレスミスから不正解になる事もあるのでより試験に近い体調で過去問にチャレンジするとより良いと感じました。
以上が相続事業承継についてでした!
相続知識は業務以外に自分の生活にも関わる事なので試験対策で終わらずに是非身につける事を意識して学習してみてください!
CFP試験の対策や学習ポイントを課目ごとに解説していますので他課目で学習に困っている人や試験ポイントなど興味ある人は下の記事も是非参考にしてください!
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