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相続発生後は口座が止められます!そんな時の対策と引き出す方法!

口座がストップしても大丈夫凍結後の引き出す方法

Hello!ケイです!
前回相続手続きについてご説明しましたがその中で口座凍結についてさらっと説明しました!
私がお客さんに凍結についてご説明すると葬儀のために現金を持っておきたい万が一の時用に口座の預金を現金化したい夫名義の預金を私の口座に入れて欲しいというような事を言われます。
本人でないと手続きできない旨や現金化はしないほうがいいですよと説明しても「死亡後は口座が止められて何もできなくなるって聞いたから何とかして欲しい」とお願いされます(笑)
確かにストップされますが動かす方法はちゃんとあります。
その方法を解説しながら凍結前に資金を動かすリスクについても解説させていただきます!

相続発生後の手続き解説
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現金化して無理に資金移動する上でのリスク

生前に現金化するパターン

現金化するのはまずやめたほうがいいです。
理由は家に大金を置いておくのは安全面でリスクがあるからです

空き巣に入られる事や家が災害に巻き込まれた場合に補償されないですし近年は犯罪も巧妙化されているので家に大金を置くのはリスクが高いです
万が一の事を考えたら凍結しても安全に守られていると思いましょう。

配偶者や子供に預金口座を全て移す

要するに贈与になります。

ケイ
ケイ
私個人の経験ですがこちらも相続の話の際はよく言われます

資金凍結されて引き出せなくなるからという理由だけで安易に預金を配偶者や子供にするのはやめたほうがいいです。

理由としては
相続発生から3年以内の贈与は相続税の計算に付与する為計算の手間が増えてしまう
亡くなる前に駆け込みで相続人に資金を移動して名義を変えるのは他の相続人と相続トラブルに繋がる恐れがある

相続では遺産分割協議が必要になるのではトラブルの種になることは避けたほうがいいです

生前贈与は正式なやり方で行えば相続対策において有効ですが曖昧なやりかたで行うと意味をなさない場合もあるため今後別記事で贈与についても解説したいと思いますここに本文を入力

仮払い制度を使えば預金を下ろせる

口座凍結後に引き出す方法は預金仮払い制度を使う事です。

仮払い制度は葬儀費用や被相続人に生活費を支援されていた人が口座凍結された事で支払いや生活ができなくなることが発生したので法改正により制限付きで遺産分割前に出金できる制度です。

ケイ
ケイ
この制度を使えば焦って現金化しておく必要がないから知っておくと便利です

仮払い制度の仕組み

仮払い制度で出金できるのは以下の計算式によってきまります。

相続開始時の預金金額×1/3×法定相続分
150万
で少ない方の金額までが出金することができます

例を用いて説明してみます。

例.被相続人が夫で相続人が配偶者・長男・次男のケース
預金状況.A銀行に1500万・B銀行に300万
配偶者がA銀行への仮払い請求1500万×1/3×1/2(配偶者の法定相続分)=250万
250万>150万
なのでA銀行では150万仮払い
B銀行への仮払い請求300万×1/3×1/2=50万
50万<150万
なのでB銀行では50万仮払い

この仮払いは各相続人が金融機関ごとに適応されるので相続人の長男・次男も請求ができます。
長男・次男の仮払い限度は以下のようになります。

A銀行への仮払い請求1500万×1/3×1/4(長男・次男の法定相続分)=125万
125万<150万
なのでA銀行では125万仮払い
B銀行への仮払い請求300万×1/3×1/4=25万
25万<150万
なのでB銀行では25万仮払い

仮払い制度を活用すれば病院や葬儀代、介護施設への支払いに充てる事が出来るので現金化や無理な資金移動をしなくても対応できます。

保険を使用して生活費や葬儀費用を確保

預金は凍結されるが死亡保険金は受取可能

仮払い制度以外にも死亡保険金の活用することで対応することが出来ます

支払い要項が死亡時の生命保険は死亡した時に凍結される預金と逆で死亡時に受取人に保険金として支払われるので請求手続き後すぐに受取る事ができます。

預金として100万保有していた場合死亡時は引き出せない
一時払い終身保険で100万保有していた場合死亡時は生前に決めていた受取人口座に支払いされる

死亡後に受取人口座に入金されるので葬儀代や支払いに使用することができます。

一時払い終身保険とは最初にまとまった資金を掛金として支払い死亡時に支払った分+利回り分が受取れる保険

一時払いなら最初の支払い以後は掛金が発生しないためある程度まとまった資金があり相続人に残してあげたい資金であれば活用するといいです。

目的にあったタイプを選ぶ

一時払い終身保険も円建てや外貨建て、変額型といった保険会社などによって取り扱いが異なり様々な種類があります。
外貨建て保険などは死亡時でも元本保証がなく外貨を円にする時に為替レート次第では元本割れを起こす場合があり加入目的をはっきりさせて自分の目的に合う商品を選ばないと損をすることがあるので注意が必要です。

ケイ
ケイ
あくまでも保険になるので健康状態によっては加入できない場合もあるので元気なうちから準備しておきましょう。

保険なのでデメリットもある

一時払い終身保険は貯蓄性保険と言われていますが保険である以上デメリットやリスクもあります。
保険加入後生前に解約した場合ある程度期間が経っていないと元本割れしてしまうので途中解約する可能性がある資金を使うのは避けた方が良いです。

私の考えとしては目的にそぐわない保険や過剰な保険は加入する必要がないと思っていますが残された家族が預金凍結で困る可能性があり、仮払い制度を活用しても足りないかもと思うならば死亡時に受取人がすぐ使える資金を確保するために一時払い保険は活用する価値があると思います。

全ての預金を出金するにはどうするの?

遺産分割協議を行い各金融機関で相続手続きを行う

遺産分割協議は相続人が被相続人の財産を誰がどれくらい受取るかを決める事です。仮に相続人が一人しかいない場合や分割協議がスムーズに進めば金融機関で必要書類を揃えるだけで凍結された口座は解除できます。
書類を遠方から取り寄せる場合は郵送に時間がかかることもありますが生活圏内で書類がすぐ揃うなら一日で書類を集めて翌日に金融機関で手続きを行えばその日のうちに解除することもできます。

相続手続きは意外と簡単

私はこれまでお客さんの相続手続きを手伝う事は多々ありました。
相続手続きはそう何度も経験することでないので難しいイメージがあるかもしれませんが分割協議が完了していれば書類を揃えてあとは手続き書類に記入を貰えれば完了するため預金口座の凍結解除は意外とスムーズにできます。

お客さんからは「書類を集める手間はあるけど手続き自体は簡単だった」「揃える書類も銀行が教えてくれたし手続きも案内されたように記入すればいいので心配していたほどじゃなかった」との声が多かったです。

分割協議が完了した後でないと手続きに移れないので分割協議が難航したりするとその分凍結解除までに時間がかかります

私がこれまで見てきたお客さんにも相続発生後に仲違いする兄弟・姉妹や分割協議がまとまらず何カ月も凍結されたままで預金を動かせない人はたくさんいました。
生前から配偶者や子供に考えを伝える事や遺言書を作成しておくと分割協議を円滑に進めやすくなるため分割協議に不安がある場合は家族の為にも検討する余地があります。

以上が資金凍結された時の対策でした!
資金凍結時も制度を活用すれば焦る事はありません!
知っているかどうかで選択肢は増えますので今後も選択肢を増やす為に参考にしてみてください!
では!また!

無理な資金移動や預金引き出しはトラブルの元
仮払い制度を使えば制限はあるが出金できる
一時払い終身保険を活用すれば死亡後に保険金として支払われる
保険にはデメリットもあるので目的にあう保険に加入する
預金の凍結解除は分割協議完了後書類を揃えればすぐに解除できる