ここ最近相続関係の相談を受ける事があり遺言書をオススメする人が多い印象だったので相続の悩みがある人や両親に相続が発生した時に懸念がある人に向けて遺言書の効力や役割を解説していきたいと思います。
遺言書の効力・役割
遺言書で出来る事
遺言書の効力は故人の意思通りに資産を残す事ができ、誰にどれくらい残すかを決める事が出来ます。
生前お世話になった人にお礼の気持ちで財産を渡す事や生前自分の為に尽力してくれた団体へ寄付する事も出来ます。
残す意思表示だけでなく残さない意思表示もできるよ
家族へ残せる最後の意思表示
遺言書には資産配分を残すだけでなく、自分の思いや感謝の気持ちを残す事が出来ます。
いわば自分から周りの人へ気持ちを伝える最後のお手紙になります。
資産の事だけでなくありがとうの気持ちを自分亡き後に家族や周りの人に届けられるのも遺言書の大切な役割です。
遺言書作成を検討するべき人
遺言書は生前から相続の道筋をたてる事が出来るので以下に該当する人は遺言書を検討する余地があります。
相続人以外に財産を分けたい人
自分が亡くなった後に資産を受取る権利がある人の事を相続人といいます。
なので、相続人以外は被相続人(亡くなった人)の財産を相続する権利がないので受取る事はできません。
相続人以外に財産を分けたいならば遺言書を作りその旨を記載する必要があります。
相続人が複数いる
相続人が複数いる場合は遺産分割協議が発生します。遺産分割協議は話し合いで遺産配分を決める為
遺言書を作る必要がないと思っている人は「うちは子供たちみんな仲いいから大丈夫」「公平に分割してもらうから揉める事はない」と言う人が多いですね
子供同士仲が良いならば遺言書を作成して遺産分割で不仲にならないように準備してあげるのも親の役割ですし、
公平に分割してもらうかどうかは遺産分割で相続人が決める事なので公平に分割して貰いたい意思があるならば公平に分割してもらう旨を遺言書で作っておきましょう。
また、遺産分割によるトラブルですが令和3年度の家庭裁判所による司法統計遺産分割事件のうち認容・調停成立件数(「分割をしない」を除く)遺産の内容別遺産の価額別の統計では資産が5000万以下でのトラブルが一番多く次いで1000万以下でのトラブルが多くなっています。
※出典 裁判所 法務統計 令和3年度より作成
子供がいない人
相続人に子供がいない場合は自分の親が相続人になります。
しかし一般的に自分が亡くなる年齢時には親もすでになくっている場合が殆どです。
その場合相続人は自分の兄弟になりますが兄弟が相続人の場合兄弟自身も高齢になり手続きする事が困難になっているケースがあります。
体が不自由になっていて動くことが出来ない事、病院や施設に入ってしまっている事や兄弟が遠くに住んでいる場合などはすぐに相続手続きをする事は困難です。
手続きが出来ないと何年も資産が凍結されてしまうので遺言書作成時にあらかじめ相続手続きに必要な書類を用意し相続手続きを行う人(執行者)を決めておくことでスムーズに相続手続きを進める事が可能です。
資産を特定の人に多く残したいor少なくしたい人がいる
被相続人の資産をどうわけるかは相続人が話し合いで決める事になります
特定の人が資産を多くor少なくする事を相続人全員が納得して分割すれば良いが不満を持つ人が出た場合は分割協議を完了する事が出来ません。
協議が終了しないと凍結された資産は動かせず話し合いで解決できない場合は家庭裁判所を介入して決めるので時間だけが過ぎてしまいます。
話し合いが進まずに申告期限を迎えると本来適用できた制度が使えずに相続税負担が増す事になります。
遺言書がある場合の遺産分割は遺言書通りに行うため遺産分割に時間を取られる心配がなくなります
遺言書を円満な遺産分割に活用しよう
遺言書は遺産分割において最優先される
相続においてトラブルになるケースが多いのは遺産分割協議における資産分割です。
遺産分割協議が終わらないとその先に進めないので遺産分割協議をスムーズに終わらせるのは大切なことです。
話し合いで全員が納得する事が出来ればいう事はありませんが最悪のパターンを想定すると兄弟間で不仲になり疎遠になる事もあります。
子供同士がそのような仲になる事を親としては望んでいないはずです。
そうならないように生前から相続について子供と話して遺言書を作る事は将来の不安要素を無くす事が出来ます。
親目線と子供目線で相続・遺言の考えは異なる
親からしたら自分の相続で子供同士が揉める事は望んでいないから揉める事は考えられないでしょう。
しかし、子供からしたら元気なうちから相続時に面倒な事が無いように整理してほしいと考える人は多いです。
私自身も相続相談を受けていて「この人は遺言書を作った方がいいな」と思い案内しても本人は楽観的に考えて動かなかったけど子供に同席してもらい意見を聞いたら
「相続手続きをするのは私たちだから母には資産整理や遺言書を作ってほしい」と言われた事もあります。遺言や相続の話は子供側からアクションを
死後の事なので話しにくいかもしれませんが親が元気なうちから話し合いをする事は円満な相続手続きには一番効果的です。
自分の考えを伝えたり、親の考えを聞く事で兄弟間で考えを共有したり子供・親目線で意思疎通をしておけば相続が発生した時にトラブルになる可能性はグンと低くなります。
以上が遺言書についてでした!遺言書があったから相続手続きがスムーズに進む事は多いです!
遺言書の種類や作成方法については別記事で解説していきますのでよろしくお願いします!
ではまた
遺産分割では遺言書の内容が優先される
相続トラブルは意外と身近な問題
生前から決めておくことでトラブルを避ける